GRILL | DX/新規事業の総合戦略パートナー

事業の進行管理を行うメンバーを育てたい!業務見直しとプロジェクトマネージャー内製化

Ms. Vy with whiteboard
  • 社内デジタル人材の育成を行いたい方
  • プロジェクトマネージャーの育成方法を知りたい方

GRILLではデジタル業務の内製化を進めるための、社内デジタル人材の育成支援を行っております。

本ケースはプロジェクトマネージャーの育成のソリューションをご提供したケースとなります。
事業拡大でこれまでの担当者が別の仕事に稼働を増やすため、別の社内人材をプロジェクトマネージャーとしてアサインしたいという課題に対してお応えしました。

もくじ

背景:新プロジェクトマネージャーを育成したい!

About the company

東京都でWEB系スタートアップを営む企業の、ディレクター育成を支援致しました。

こちらの企業では事業拡大に伴い、新規ディレクターの募集をかけたものの、中々良い人材が見つかりません。
そこで社内メンバーの教育を行い、新たにプロジェクトマネージャーの育成を行うことになりました。

課題:社員をプロジェクトマネージャーとしてアサインしたい

お客様は渋谷区のWeb系スタートアップ企業。資金調達を経て、プロダクト開発を社長を中心として行ってきました。

しかし、新たな資金調達や海外での交渉など、社長自身ではないと意思決定ができない案件が複数入り、社長がプロジェクトの現場に張り付くことが難しくなってきたという状況でした。
そこで、プロジェクトのディレクションをできるメンバーの採用を試みましたが、なかなか良い人材を採用することができません。

それでは社内メンバーを教育した方がプロダクトのこともよくわかっているし、コミュニケーションも取りやすいので良いのではないかという状態でした。 

このような経緯で GRILL にお声がけをいただき、プロジェクトマネージャーを育成するご支援をさせていただきました。

効果的ではないチームミーティング

社内ではまず朝会を行い、それぞれのタスクの進捗状況や課題点を共有した上で1日の仕事をスタート。
また夕方に夕会を行うという流れで仕事を進めていました。

この方針自体は問題なかったものの、全体のファシリテーション役であり、問題解決役でもある社長が朝会や夕会に参加できない時がありました。
そういった場合には、せっかく共有された内容も宙ぶらりんになってしまい、課題が解決されないまま取り残されてしまうという状況がありました。

チーム内での進行状況が共有されない

Web開発を行っている会社ということで、エンジニアのメンバーも多く、それぞれが自分の専門性の領域で仕事をこなしている状態でした。

そして自分の専門領域以外のタスクは、今誰が行っていてどんな状態かわからない、という課題がありました。

工程ごとのスケジュールが不明確

Web開発の現場では、通常の流れとして「仕様策定>画面構成>デザイン>フロントエンド&バックエンド実装」のような流れで工程があります。

フロントエンドの実装者は、デザイナーがデザインを完了させないと作業にうつることができません。
しかし、これまではお互いのタスクが見える化できていず、お互い自分の専門領域の仕事をなんとなくこなしているという状況がありました。

ここで課題となったのは、あとの工程メンバーは次のタスクがいつ始まるのか見えないという状況です。

Issues of this case

GRILL の解決策:優先順位をつけトレーニングを実施

GRILLでは、まず状況のヒアリングをさせていただきました。

その上で、まずはお客様の事業におけるプロジェクトマネージャーのスキルとして重要なものについてリストアップいたしました。そして優先順位をつけた上で、トレーニングを段階的に行うという手法を取りました。

朝会・夕会のファシリテーションと共有

ヒアリングを行い判ったことは、社内での情報共有の圧倒的な不足です。

そこでプロジェクトマネージャーの最も重要なタスクを、朝会・夕会のファシリテーション&内容共有と設定しました。プロジェクトマネージャーは必ず会に出席するというルールを定めたのです。

これまでの会議では、社長が不在の場合、なんとなくミーティングだけが慣例的に行われているという状況がありました。しかし、形だけでミーティングを行っていても、多くの課題解決には繋がりません。

またミーティングで出てきた内容は、議事録を通じて社内全体にオープンに共有されるよう変更しました。
問題が発生している場合には、誰がいつまでに解決するのか?ということも、プロジェクトマネージャー決定の上で共有を行うようにしました。

タスクの見える化

誰がどのタスクを、どのタイミングでいつ行なっているかが分からない。

このような社内の問題点を解決するために、タスクマネジメントツールを導入し、今誰が何をしているのかを見える化しました。
タスクマネジメントツールでは、タスクがそれぞれの専門領域ごとに優先順位順に並んでいて、今のタスクが終わったら次に優先順位が高いタスクを瞬時に確認することができます。

これにより内容の詳細はわからなくても、チームの誰が今何を行っているのか、お互いが把握できるようになりました。

見積もりと実績

それぞれで抱えているタスクに対してお互いに見積もりを行い、およそ何時のタイミングに現在のタスクが終わるのかの目安をつけるようにしました。

この作業により、次に自分のところに回ってくる仕事が何時ぐらいなのか?の概算を行えます。
またタスクが終わったら実際にかかった時間を、タスクマネジメントツールに入力することにしました。これにより、見積もりとの差分を確認することができます。

この結果、例えばデザイナーがどのくらいの作業を1日のうちにこなせるのか等、大体の作業量の目安がチーム全体で把握できるようになりました。

PM業務の内製化

最後にGRILL のスタッフが、これまで社長が行っていたプロジェクトマネージャー業務を代わりに直接担当しました。
その目的として、新プロジェクトマネージャーのメンバーとOJT(オンザジョブトレーニング)のような形で一緒に業務をこなし、プロジェクトマネージャー業務の内製化を少しずつ行う為です。

 

内製化として行ったものは主に次の業務です。

  • チーム内ミーティングの招集
  • ミーティングのファシリテーション
  • タスクのアサインメント
  • 締め切り近いタスクの担当者への確認
  • スケジュールが遅れる場合のステークホルダーへの連絡

チームの一員として稼働させていただく中で、プロジェクトマネジメント部分だけを新プロジェクトマネージャーと一緒に行い、3ヶ月の期間の中で徐々に業務や権限の移譲を行っていきました。

4ヶ月目からはオブザーバーとして参加。突発的な出来事や複雑な事象への対応部分だけ担当させていただきました。

5ヶ月目以降は新プロジェクトマネージャーの方が独り立ちし、プロジェクトマネジメントを一人でご担当いただくことができるようになりました。

Improvements for this case
  • 出席可否のルール付
  • 議事録を作成し、社内全体にオープンに共有
  • 問題解決の期限設定ルール付
  • タスクマネジメントツールの導入
  • 各自の作業を見える化
  • 作業時間の見積りと共有
  • タスク終了後に実際にかかった時間を計測
  • GRILLスタッフが仮のプロジェクトマネージャーとして4ヶ月参加
  • OTJの形で、新プロジェクトマネージャーに徐々に業務&権限を移譲

効果:育成後の効果&変化は?

GRILLでは、プロジェクトマネージャー育成後にそれぞれのチームメンバーにインタビューを行いました。
率直な意見を伺うことで効果を推しはかり、今後のチームマネジメントにも活かす為です。

その結果わずか5ヶ月の時点で、育成したプロジェクトマネージャーだけではなく、社内全体に大きな変化が報告されました。

Problems on this case

チームミーティング

これまでは、参加する人がまばらだった朝会・夕会が、時間と場所を明確に決めることで、必ずチーム全員が集まって行われる場所となりました。

ミーティング時間も、最大15分と短く設定しています。
この短い時間設定により、参加するための心理的障壁を下げ、短時間で簡潔に確認ができる会にしました。

その結果、全員が毎日同じタイミングで集合し、仕事をスタートできる点が良いと評価をいただきました。
遅刻がちだったメンバーも遅刻が減ったようです。

また、直接顔を合わせての会を全員参加で行うことでチームの士気が上がったとのフィードバックも頂いています。

タスク見える化

自分の専門領域外のタスクも見える化されたことで、プロダクト自体の欠陥に気がつく機会が増えました。
また、もっとこうしたら良いのではないか?というアイデアが以前よりも、よく出されるようになりました。

社員全員が、他の人の作業部分も含めてプロダクトに対してコミットすることで、「自分達のプロダクトをもっと良くしていこう」という意志が生まれやすくなったという感想もあがりました。

見積もりと実績

チーム内でお互いに見積もりを行うことで、自分だけでは考えていなかった新しい視点に気がついたり、より良い方法での実装方法を学べたという効果がありました。

またチーム全体でのアウトプット量が見えてきたことで、より先のスケジュールも明確に立てられるようになり、最も効果的な機能や施策を先に実行するための戦略を練りやすくなりました。

プロジェクトマネージャー内製化

最終的な目標であった新プロジェクトマネージャーの設置は、チームのあり方や仕事のやり方を改善しつつ、プロジェクトマネージャーとしてのスキル育成を行なっています。
その結果、新プロジェクトマネージャーの方は、チームと共に成長しながらスキルを身につけることができました。

4ヶ月間という短期間だったため、細かいエンジニアリングに関するスキルや、仕様策定などのテクノロジーの知識を要するタスクまでは育成計画に落とし込むことはできませんでした。
しかしそれは、今後のプロジェクトマネージャー経験の中で少しずつ学習できるという状況を作ることができました。

今回の解決事例まとめ

今回の事例は一番の目的であった「プロジェクトマネージャーの育成」だけに焦点を当てるでのはなく、全体のルール作り&適切なツール導入を行うことで、社内全体のスキルアップにつながったケースとなります。

まとまりがなかった個々のメンバーが、チームメンバーとしての意識を持つきっかけを作り、新プロジェクトマネージャーがそれを包括することで、新しいプロダクト開発環境が構築されました。

外部の経験あるプロジェクトリーダーが参入し、社内改革を行い、上手く軌道にのるケースも勿論多くあります。
しかし、こちらの企業では、社内メンバーから新しいプロジェクトリーダーを育てるという選択をされました。

その結果、人心掌握やプロジェクト内容把握の期間を短縮することができ、その後のプロダクト開発へも良い影響を与えています。

 

今回の「新プロジェクトマネージャーを育成」に関するまとめは以下のようになります。

  • 現在の状況および問題点をヒアリングを元に詳細に検討
  • データを分析し、解決ポイントの提案
  • GRILLスタッフメンバーが仮プロジェクトマネージャーとして参加

社内全体のルールを構築

  • 朝会・夕会のファシリテーション
  • タスクマネジメントツールの導入
  • ツール使用時のルール設定
  • チームメンバーへのインタビュー実施
  • 新プロジェクトマネージャーへの新たな学習計画の提案
  • 今後の計画設定
  • 改善点の更なるご提案
Development for this case

コンサルティングを行った GRILL が、ヒアリングを直接行い仮メンバーとして参加し、初期段階での環境構築を行なっています。
その結果、4ヶ月という短期間で、新プロジェクトマネージャーの独り立ちまで完了することができました。

今後の展望

今回、これまで全てのマネージメントを行っていた社長に変わり、新たなリーダーを育成することができました。
こちらの企業では、今回の経緯や経験を基に、さらに新しい社内プロジェクトマネージャーの育成を計画されています。

今後も GRILL では、こちらのスタートアップ企業と協力して更なるサポートを行なっていくことを予定しています。

お気軽にご相談ください